トラブルを回避して素敵な社員旅行に!押さえたい準備のコツ
気持ちよく参加できる工夫を忘れずに!
社内イベントの中でもおよそメインといえる位置どころにある社員旅行、せっかく実施するなら、皆が気持ちよく参加でき、行ってよかったと思えるものに、またビジネス上の観点からみても実り多い体験だったといえるものにしたいですよね。
しかし気の置けない仲間や家族と出かけるプライベートな旅とは異なり、普段は社内で軽く顔を合わせる程度や業務上でのコミュニケーションをとるにとどまるような関係性の人々が、団体で非日常の空間へと出かけ、長く行動をともにする社員旅行は、普段知り得なかった同僚や上司の一面を発見したり、親睦を深め、一歩進んだ信頼関係を醸成したりしやすい一方、思わぬトラブルを発生させてしまうこともあります。
幹事役など社員旅行の企画・運営にかかる役割を任された方は、そうした社員旅行でありがちなトラブルを未然に防ぐ工夫を施しつつ、しっかりとしたプランニングと準備を進めていくことが大切です。そこで今回は、快適な団体旅行の鍵になる班分けやしおりの作成など、実践に役立つ事前準備のコツをご紹介します。
当日の負担を減らして無理なく楽しめる計画を
社員旅行を実施する際には、まず目的とテーマを明確に定め、具体的な旅程や実施する企画をイメージしやすくすることが重要です。この作業は、その後の業務にもプラスの効果をもたらす有意義なワンランク上のイベントとするために大切ですし、それを明らかにすることで、さまざまなバックグラウンドを有し、さまざまな世代に属する社員個々の参加意欲を広く向上させることにもつながってきます。
コミュニケーションを深める、チームとしての結束力を強くする、異分野からの学びで知見を深めるなど、目的とテーマをしっかりと決めて認識・周知し、幹事役も全てはそれにそって決定していくのだ、それを実現させる旅のサポートを担うのだという意識をもつようにしてください。
希望する行き先や日程、参加の可否、やってみたい企画、特別に考慮してほしい事項など、聞き取りを行うには、メールなどでアンケートをとるのが有効です。回収したら、早めに旅行会社などとも打ち合わせを始めましょう。
参加人数の把握と希望候補となったプランの予算内での実現可能性、宿泊施設や交通手段の確保、部屋割り・座席割りについてなど、詰めるべきポイントは多くあります。プロのアドバイスを受けながら、具体的に決定していきます。
旅程をスムーズに進めていくため、毎回全体を相手にするのではなく、5~6人の班分けを行ってリーダーを置くとよいでしょう。この班のメンバーは、参加者がストレスに感じないよう、ある程度気心の知れた仲の人で構成されるようにするのがポイントです。
移動時や観光地での集合時、朝食・夕食時など、遅れている人はいないか、班ごとに点呼・確認をとってもらうようにすれば、幹事さんの負担も軽減されます。同じ班となったメンバーは、より深いコミュニケーション関係を築けるようになるでしょう。
一方、現状にないチームワークや交流を作っていくこと、社内全体の一体感を高めることなどが目的に含まれているなら、企画に取り組む少し大きな分け方のグルーピングでは、普段業務であまり接することのないメンバー、世代や所属が異なるメンバーを混合した組を作るようにしてみてください。スポーツやゲームなど、会話が生まれやすい企画を通じて接することで、新たな人脈形成を促進させられ、縦割り部署にとらわれない新規ビジネスの創出、コラボレーションの実現などの効果が得やすくなります。
旅のしおりを作ろう!
ある程度詳細な内容が決定されてきたら、旅のしおりを作成しましょう。旅程を個々が確認したり、緊急連絡時に活用したりできるほか、参加への期待感を効果的に高められます。コンパクトに持ち歩きやすいA4の半分サイズくらいで、行き先と日程、社名などを記した表紙をつけると'しおり'らしい仕上がりになります。
全体のスケジュールを把握できるよう、細かな時間配分も記した旅程表を記載します。道中の注意点や見どころ、楽しみにしておいてほしいポイントなどがあれば、それも簡単に書き込んでおくとよいでしょう。
集合場所と集合日時は別ページに、大きく目立つ文字ではっきりと記します。待ち合わせ場所はできるだけ分かりやすいポイントとし、簡単な地図をつけておくとよりよいですね。各自手持ちのスマートフォンなどがある場合は、それと連動させたマップ共有やスケジュール共有を図っておくのもおすすめです。
ホテルでの部屋割りやバスの座席表などについても、決定した事項を図表で示しておくと、当日に慌てなくてすみます。また旅程や実施する企画にあわせ、必要となるであろう持ち物を書き出し、持ち物リストとして提示すると、参加者も用意がしやすく、旅全体の快適さもアップします。
あとは、旅行中のトラブル発生に備え、必ず連絡がとれる緊急連絡先を明記しておきましょう。幹事の連絡先はもちろん、旅行会社さんや添乗員さん、利用宿泊施設の住所・連絡先などが一覧で示されていれば安心です。
旅行中に出した連絡など、必要事項を適宜書き込めるよう、スペースに余裕をもたせたり、自由記述ができるメモページを確保したりしておくと親切ですね。
こうしたしおりの作成や班分け、グルーピングなどの準備に加え、宴会の場を設けるならお酒が飲めない人・苦手な人への配慮を行っておくこと、金銭管理には必ず複数人で関わるようにすることが無用なトラブルを回避する重要ポイントとなります。
いかがでしたか。さまざまなタイプの人が長時間にわたって行動をともにし、普段とは違うプライベートな一面もかいまみせるきっかけになる、ひとつ屋根の下で宿泊するなどする社員旅行は、非日常的体験として価値ある貴重な機会に発展させられる可能性と、思わぬトラブルや混乱の発生する可能性の両方をもっています。
ステップを踏みながらしっかりと事前準備を行い、当日にかかる負担はできるだけ少なくして、幹事さんも含めた全員が気持ちよく楽しめる旅行に、そして信頼関係を広く深く築き、継続的資産になるビジネスチームワークの基盤作りの機会とするなど、目指す目的を達成できる有意義なイベントにしていってください。
(画像は写真素材 足成より)