海人たちの祭典、「ハーリー」がアツい!
海を愛する「海人」
「海人」と書いて何と読むかご存知だろうか?正解は「うみんちゅ」と読む。海人とは、沖縄の言葉で、漁師などの海に関わる人を指す言葉である。だが、今では漁師に限らず、「海を愛する男」という意味で使われることが多いように思う。特に沖縄南部地方の糸満などでは、海の仕事に携わる男性が多く、「海人」率が高い。
常に海と共にある沖縄
海に囲まれた沖縄では、海に関するイベントや祭りが多い。幼少の頃から海と共に育ってきた沖縄の人たちにとっての海は、もはや人生の一部であると言ってもいいだろう。
「沖縄の人の多くは水着を持っていない」と言われるように、沖縄の人たちにとって海に入ることは特別なことではない。つまり、水着に着替えるまでもなく、思い立ったらそのままの格好で海に入るのだ。それほどに沖縄の人々と海は、常に近くにある存在なのである。
海人の祭り「ハーリー」
そのため、海での遊びはもちろん、祭りも多く開催される。中でも「ハーリー」と呼ばれる祭りは、沖縄各地で催されるほどメジャーで人気の高い海人祭だ。
ハーリーとは、「サバニ」と呼ばれる沖縄伝統の小型漁船で行うレースのことである。もともとハーリーは、漁師などの海人が豊漁や航海の無事を祈願するために行われていたものであったが、近年それが大衆化し、レース形式で競う現在の形になった。
毎年、5月から6月にかけて各地でハーリーが行われ、沖縄では夏の訪れを感じられる風物詩の1つとなっている。そのため、ゴールデンウィーク前になるとハーリーに出場する青年たちが十数人で掛け声をかけながら舟を漕ぐ練習風景が各地で見られるようになる。
県内最大規模の那覇ハーリー
そのハーリーの中でも最大規模の祭りが、毎年ゴールデンウィークに開催される「那覇ハーリー」である。一般的にハーリーは、旧暦の5月4日に行われるのだが、那覇ハーリーは観光客向けに新暦の5月3日から5日までの3日間に渡って開催される。来場者数も毎年20万人を超えるという非常に人気の高い祭りだ。
那覇ハーリーは他の地域とは違い、十数人乗りの「サバニ」ではなく42人乗りの「爬龍船(はりゅうせん)」でレースを行うという点が大きく異なっている。人数が多い分、ダイナミックなレース展開に観客たちもヒートアップする。
職域対抗戦では、様々な職業のグループが参戦し、各チームの応援にも熱が入る。米軍チームなども参加し、インターナショナルな雰囲気も味わえるため、初めて観戦する人でも十分に楽しめる。
那覇ハーリーでは、ハーリー競漕の他にもお笑いライブやエイサーなど様々なイベントが1日を通して行われており、どの時間に行っても、誰でも楽しめる祭りとなっている。
奥武島うみんちゅ祭り
那覇ハーリーの他にも、南城市の奥武島で行われる「奥武島うみんちゅ祭り」も見逃せない祭りの1つだ。この祭りもハーリーがメインなのだが、中でも面白いのが「転覆レース」である。
転覆レースとは、その名の通り1度サバニを転覆させてからまた乗り込んでその順位を競うというもので、普通のレース以上にチームの団結力が問われる見ごたえのあるレースだ。
このように沖縄には海で行われる祭りが数多くある。海人たちは海を敬うとともに、その恵みに感謝し、また海を大いに楽しむのである。
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